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【映画で旅するヨーロッパ】『EUフィルムデーズ2020オンライン』レビュー【イラストルポ】

【映画で旅するヨーロッパ】『EUフィルムデーズ2020オンライン』レビュー【イラストルポ】

映画祭までオンライン開催の2020年。『EUフィルムデーズ2020オンライン』でEUの映画を楽しみました。日本では公開されていない作品に出会えるチャンスです。新しい景色や視点に刺激を受けました。

『EUフィルムデーズ2020オンライン』でヨーロッパ映画を堪能

EUフィルムデイズイラスト|あいすまみ

『EUフィルムデーズ2020オンライン』概要

『EUフィルムデーズ2020オンライン』とは

会期:2020年6月12日(金)~25日(木)

料金

1作品:300円(税込)  視聴可能期間 購入後3日間(72時間)

プログラムパックA〜F(3作品パック):各500円(税込) 視聴可能期間 購入後5日間(120時間)

※一部作品の視聴可能期間が異なります。詳細は公式サイトで確認ください。

『EUフィルムデーズ2020オンライン』とは、日本で唯一の映画の美術館である国立映画アーカイブをはじめ、京都、広島でも開催予定だったEU映画のお祭です。2020年はコロナの影響によりオンライン開催となりました。

日本未公開の7作品や過去のEUフィルムデーズで好評だった作品など、EU20カ国の21作品を視聴できます。うち7作品は日本初公開となる作品です。

気になる作品を単品でも視聴可能ですが、個人的に3作品パックがお得なので、せっかくだからたくさん観ることにしました。購入後、視聴可能時間に制限がありますので、一気に観るのがおすすめです。

どんな感じのイベントなのか雰囲気を味わいたい方には、無料で視聴可能な作品も1作品あります。

 

EUフィルムデーズ公式サイト(外部リンク)

 

『EUフィルムデーズ2020オンライン』視聴した感想

プログラムパックCを視聴しました

パックごとにテーマが違う3作品が視聴できます。どのパックを観ようか迷います。お試しでまずは、Cパックを購入しました。でも、他の映画も面白そうなんですよね。とっても迷います。

 

【Cパックの映画ラインナップ】

  • 『パパは奮闘中!』 監督: ギヨーム・セネズ/2018年/ベルギー、フランス/99分
  • 『頑固じいさんとしあわせな時間』 監督: ティーナ・リュミ/2018年/フィンランド/115分
  • 『スマグリング・ヘンドリックス』 監督: マリオス・ピペリデス/2018年/キプロス、ギリシャ/92分

ちなみにCパックのテーマは「家族ー悲喜こもごもの物語」です。悲喜こもごもと言いつつも3作品中2作品がコメディみたいだから、週末の夜に観るのにいいかな。さてと再生再生。

結果からいうと大笑い的なコメディとは、ちょっと違ったかな。でも、良い映画を観た満足感がありました。

サブスクのVODと違い、再生できる有効期限こそありますが、好きな時間に観られる映画祭っていうのもいいですよね。

『パパは奮闘中!』

妻が家出してワンオペで育児と仕事に追われるパパの物語。まさにこれは奮闘ものですね。

毎日が仕事や育児、家事に奮闘という女性はきっと多いと思いますが、これがパパの立場になると映画になるんだ。若干モヤモヤした気持ちで見はじめました。

ポップな題名に反して映画の冒頭のトーンは暗いのですが、どんどん引き込まれます。

多分、女性の視点で観るか男性の視点で観るかで全く違う感想が出てくる映画です。男は仕事、女は家庭という昭和の日本のような家庭って、海外にもあるのかと少し驚きました。なんとなく、ヨーロッパ=男女平等なイメージが勝手にあったからです。

子どもを置いての家出は、確かによくないことかも知れませんが、家出するほどの奥さんの心境ってよほどのことです。

言いたいことがあるなら話し合えばいいのに。そう思う人は多くいると思うのですが、この夫婦の場合そもそも、もはや会話が成立していない状態だと思います。旦那さんは、奥さんのことを全然考えていないし、どんな状況なのか知ろうともしていなかった。

だから、妻がなぜ家を出たのかを全く理解できないまま、仕事と子育てに追われて余裕を失っていく。

奥さんが家出先から子ども宛てに出した絵葉書の消印はヴィッサン。フランス北部の港町で奥さんの生まれ故郷の設定です。劇中、主人公の住んでいる街はハッキリとしませんが、おそらくフランスのどこかの街でしょう。

さて、奥さんは家に帰ってくるのでしょうか。

共働きで子育てがそんなに大変なら、サポートをたのめばいいとか色々と対策はあるかも知れませんが、あくまで大人の目線です。

映画の中で2人の子役の演技が素晴らしかったです。ママがいた頃と目の輝きが違うんですよね。子どもには、生活の中でじっくりと寄り添う親が必要だと思います。誰か面倒をみる人間がいればいいっていう問題ではない。

夫のオリヴィエは、妻が出ていった直後は何もかもがうまくまわらなくなり、キレまくります。そんな日々の中で何か気づきがあるといいのですが。

オリヴィエをディスりまくりましたが、視点を変えると残業続きの面白みのない物流倉庫の中間管理職。自分の時間なんてない状態で奮闘している人生も考えると悲惨なものです。これも生活のため。多分、家では弱音をはけないのは、妻も夫も同じだったのだろうな。

この映画の救いになる点は、オリヴィエが条件のいい仕事を蹴ってまで、妻を探しに行ったところでしょう。妻への愛情が残っているところに救いがあると思います。暗いテイストの映画だけれども、ハッピーエンド的要素がありました。

 

さて、人生における満点ってあるんだろうか。仕事?家庭?子育て?どれも選べないという人もいると思いますし、どれも全部やるという人もいる。人それぞれでいいと思いますが、全てにおいて満足するって意外と難しいものなんだな。映画を観ていてそう思いました。

うーん。プロモーション的に『クレイマー・クレイマー』が引き合いに出されていましたが、感動的という感じよりも問題定義色が強く、考えさせられる映画。

『頑固じいさんとしあわせな時間』

フィンランドで大ヒットした映画です。小説を映画化したコメディドラマ。

冒頭ヘルシンキ空港が出てきますが、舞台になっている農場がどこにあるかは不明ですが爺さんの住処はフィンランドの農村地帯です。

奥さんに先立たれて、元気を無くした頑固じいさん。お葬式に集まった息子の態度が結構ヒドイのです。これは爺さんが偏屈になったのもわかる気がします。もしくは、偏屈爺いさんと反りが合わずに息子が離れたのか。とにかく不協和音いっぱいの家族関係。

ヨーロッパも核家族化って進んでいるのか気になりました。ちょっと調べたら、子どもの教育や福祉が充実している印象があるフィンランドも昨今少子化が進んでいることを知りました。

ひとりで残された爺さんが、自分の棺桶をDIYし始めるのもわかる気がします。いたたまれない気持ちになりますが、孫娘の存在が救いとなります。

孫娘は飛び級でプリンストンに入ってしまうような優秀な子。しかし、親の束縛の反動で「いい子」の殻を破り羽目を外してしまいます。

 

親子の関係よりも祖父母と孫の関係の方が程よい距離感があって、うまくいくこともあるかも知れないと思います。近すぎると見えない何かがあるんじゃないかな。

頑固爺さんは冷たそうにみえるけれども、でも実は暖かい。そんな交流にほっこりしました。

親より話のわかるお爺ちゃんが孫娘の救いになっている。

お爺ちゃんも孫娘に救われている。そんなところが、観ていて暖かい気持ちになれて、なんかよかったです。

『スマグリング・ヘンドリックス』

私は世界情勢に疎いので、勉強になった映画でした。

『スマグリング・ヘンドリックス』は日本初公開作品です。

地中海にあるキプロス島の、キプロス共和国と北キプロス・トルコ共和国という2つの国が舞台です。首都のニコシアは世界ただ1つの分断された首都なんだとか。そんな場所が存在するのですね。映画だけではわからない部分もあったので、もう少し本などで歴史について知りたくなりました。

舞台背景は深刻ですが、この映画はあくまでコメディです。”あるもの”を密輸する男たちの物語は、少しコミカルで少し哀しい感じもします。

また、映画で流れる音楽から、なんとも言えない異国情緒を感じました。

 

『EUフィルムデーズ2020オンライン』参加はこちら

オンラインイベント期間は2020年6月12日(金)~25日(木)です。映画パック購入の期限は、23日までと会期よりも少し早いので、お気をつけください。

『EUフィルムデーズ2020オンライン』の配信は青山シアターが行なっています。

視聴するにはまず、青山シアターの会員登録(無料)が必要です。青山シアターとは、映画配給会社で有名なギャガが運営している動画ポータルサイトです。
視聴方法の詳細は青山シアターのウェブサイトを確認してください。

 

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