イラストレーターを目指すと必ずぶつかる壁が自分のオリジナリティーを見つけるということ。逆に、誰にも真似ができない世界観を築けた時は、成功に一歩近づいていると言ってもいいのではないでしょうか。大変だけれども見つけたい自分の個性について一緒に考えてみましょう。
イラストレーターの自分の絵柄の見つけ方
楽にたくさん描けること
これ大事です。誤解を産みやすいので補足すると、適当に描いてもお金を貰える絵ということではなく、無理しないでも描ける絵柄ということです。
絵を描いている人は器用な人が多いですから、ちょっと頑張ると自分のタッチでは無い絵柄も描くことが出来る人が多いです。しかし、あくまでそれは頑張って描いている絵。長く描いているとどこかで違和感が生じます。
お仕事で描く絵には納期もありますし、大量に同じクオリティで納品する必要があります。だから、過酷な状況でも安定感のある状態でアウトプット可能な絵柄を仕事のメインにすることをお勧めします。
そうは、言ってもこういう絵を描きたいんだ!という理想形があるという人もいると思います。理想を目指すがためにアウトプットできなくなることって意外とあるあるです。
ちょっと怖いことを描きますが、50点のクォリティでも発信を続けましょう。どんな形であれ、人に見せることで何かが変わると思います。
絵の上達には時間がかかります。
個性の前にまずは、基礎的な練習も大事
デッサンやクロッキーは、ある程度の時間と量を諦めずにこなしていけば、よほどのことがない限り誰でも上達すると思います。写真や実物そっくりに描くのは、なんとか頑張れば描けるようになります。
たとえ、リアルな絵柄を目指していなくても、基礎練習しておけば作業時間が早くなったり、デフォルメした絵にもリアリティが出ます。
おもしろいと思って描けないと、サボりたくなるかもしれませんがコツコツとスケッチやクロッキーを続けた方が長い目で見てプラスに必ず働くと思うので、日の目を見ない作業ですが頑張りましょう。
自分の絵柄を見つける+作り上げる前に
目標や夢を持ちましょう。どこへ向かって行こうとしているのか明確にしましょう。
イラストと一言に言っても、世の中見回しただけでも様々な絵柄があります。キャラクターイラスト、ファッションイラスト、アニメ系のイラスト。あなたが描きたい、やってみたいテイストやジャンルのイラストはありますか。憧れの作家さんでもいいですよ。何か指標になるものを見つけると頑張れますから、目標や夢を持ちましょう。
これからイラストレーター として売り込むとしたら、あなたがどんな方向性の仕事をしていきたいかから逆算して、選ばれる絵柄を作り上げていくという戦略も一つあります。
まだ、方向性が決まっていなくて迷いがあるならゴールから逆算して考えてみるのもひとつのヒントだと思います。
生涯学ぶ覚悟をもつ
有名イラストレーターになれば、ネームバリュー自体が価値ですから、〇〇さんが書き下ろしたイラストというだけでファンの人は注目してくれるでしょう。イラストレーターとして一番成功したと言えるパターンで、みんなが憧れるのはこんなイラストレーターさんではないでしょうか。
しかし、こんなトッププレイヤーはごく一部ということは厳しいようですが事実です。でも、諦めないで続けていきましょう。
無名の中年イラストレーターの私からのアドバイスとしては、生涯を通して学んで挑戦してもいいよっていうことです。かっこいいか悪いかって言うと完全にかっこ悪いパターンですが、いいと思いますよ。
人生100年時代ですから、その時々でないと表現できない世界感や積み上げてきた技能を活かして活躍出来るチャンスは常にあると思います。自分を信じて前向きに取り組んだ方がいいと思います。
もう出来ないというリミッターは、いつの間にか自分で決めていることが多いと思います。挑戦しない言い訳になりがちです。失敗大歓迎ぐらいの気持ちで頑張ってみましょう。
街に出てイラストの使われ方を研究してみよう
例えば、私なら街へ出て調査をします。看板やポスター、書籍、グッズ、フライヤーなどイラストが使われている実例を記録したり収集して、自分ならどんな提案をするか考えてシュミレーションしたりします。お仕事として世の中へ放たれたイラストを見ていると、いつかこんな仕事がいただけるようになろうという目標にもなりますよ。
鉄道会社とキャラクターのコラボの例です。スタンプラリーイベントが行われていました。スタンプラリーの達成の記念品もキャラクターグッズ。電車のラッピングもキャラクター使用という夢のようなお仕事です。
文房具類は、イラストが多様されています。写真は店舗の商品ですが、マスキングテープは個人でもオリジナルのマスキングテープを作成可能です。自分でグッズを作ってみるという発想もありますよね。
ファッション系のイラストを目指している人なら、ショップのキャンペーン用のビジュアルに使われるのは夢の仕事ですよね。時代性やインパクトのあるイラストの提案が得意な人は挑戦してみるのもいいと思います。
フリーペーパーは、結構イラストが多様されています。イラストがあるとないとでは、紙面の楽しさが違ってくると思うので、これはと思う媒体があったら営業してみるのもいいかもしれません。
書籍の表紙や挿絵は、定番のお仕事ですよね。売れている本や注目の本は本屋さんで平積みされていて表紙が注目されます。シリーズものでお仕事いただけたら嬉しいですよね。
コンセプトがはっきりしている挿絵の場合は、普段から意識してポートフォリオを整えておく必要がありますよね。やりたいお仕事に近くためには、チャンスが来た時にすぐに対応出来るようなポートフォリオづくりを意識したいものです。
私も最近ポートフォリオのテコ入れしています。しっかりしたポートフォリオは資産になります。お仕事が暇な時は、ある意味チャンスなので頑張ってポートフォリオのリニューアルに時間を割いてみるのはいかがでしょうか。
【まとめ】自分の絵柄を固めるのは大事だし大変
文字では、つらつらと偉そうに書きましたが。大変なんですよね、自分の作風を固める作業って。
私の場合は、悩んで苦しんでいます。でも、とっても大事なことなので逃げないで取り組みたいです。
しっかり作風を固めないと「〇〇さんのイラストみたいに描いてください」のような発注が来て後々苦しむこともあります。もちろんマネして描くわけにはいかないので、相手の言っているエッセンスを汲んで、自分のイラストのテイストに落とし込んで提案するという作業が必要になります。でも、素直に描いている絵柄より魅力的に描けることは少ないように感じます。
セルフブランディングがうまくいっているイラストレーターの人ほど、成功、活躍しています。信念を持ってオリジナリティを確立したいですよね。
現在進行形なので、アドバイスは偉そうにはできません。でも、がんばりましょう。続けていると形になる日が来ます、絶対。