東京都庁にほど近い廃校になった校舎を活用した日本の伝統芸能の拠点があります。建物を大掛かりにリノベーションした施設ではありませんが、活発に活用されているコミュニティーの場がここにはあります。
この記事は
- 芸能花伝舎について知りたい方
- 日本の芸能について興味のある方
- 校舎など空きスペースの活用事例が知りたい方
に読んでいただけたら嬉しいです。
芸能花伝舎(げいのうかでんしゃ)とは
廃校を活用した芸能と文化の拠点
区立淀橋第三小学校跡地利用した、芸能文化拠点が「芸能花伝舎」です。 西新宿のビルの谷間に小学校があるのも東京ならでは。都庁から5分ほどの場所にあるため、イベント時にはたくさんの人が訪れます。
芸団協(公益社団法人日本芸能実演家団体協議会)と新宿区が芸能が持つ力を地域社会に還元するための拠点として誕生させた施設です。
施設の概要
教室、体育館など11の「創造スペース」があり、おもに芸能関係の稽古や研修、会議などに利用することが可能です。
また、「事務所スペース」には、実演芸術関連の団体が入居して活動の拠点としています。
芸能花伝舎の活用事例
芸能花伝舎は、演劇、音楽、舞踊、演芸などさまざまな芸能文化の交流の場として活用されています。年間を通して地域に開かれたイベントも満載です。
芸術体験ひろば
毎年5 月5日に開催されている子供のためのイベントです。三味線や日本舞踊、和楽器など生の日本文化に触れることが出来る貴重なイベントです。校庭では出店やバザーなども出店があり、一日中楽しめるイベントです。
キッズ伝統芸能体験
毎年開催のじっくりとテーマごとに伝統芸能を学べる体験プログラムです。
第一線で活躍する伝統芸能のプロのから直接指導を受けて、成果を本物の舞台で発表するという人生に少なからず影響を及ぼしそうな本気のプログラムですよね。ジャンルは、能楽、長唄、三曲、日本舞踊です。
将来その道に進むかどうかということは関係なく、本物に触れる機会を持つことが何よりの学び。
子どものうちに何か一つでもいいので、本気で夢中になる経験が出来るっていいですよね。
中途半端に子供扱いしない本気の大人と接して、何かに取り組むことは貴重だと思います。
第13回芸協らくごまつり
一方こちらは、落語ファンなら要チェックの年に一回の芸協らくごまつり。
寄席はもちろんのこと、一日中館内あちこちで落語家さんによるイベントが満載です。校庭では落語関連の出店も色々。落語家さんのグッズ販売のお店や落語ガチャなど。ファンにはたまりませんね。
私も落語ファンなんです。らくごまつりは、花伝舎の楽しみなイベントのひとつです。
落語家は、人を笑わせるのが仕事なので努力を見せたり産みの苦しみを見せたら負けってところがあります。
とんでもない苦労をしているのに「人前でちょろっと出て来て好きな話をパーパー喋ってお金をもらう楽な仕事」なーんて軽口を叩くのが落語家の常ですが、もうそれはお決まりの嘘というか究極のカッコつけなんですよね。落語家のそういう生き様も含めて落語が好きですね。
あえて、そこはスルーしてただ笑うのも客のお決まりですから。そこには触れないのがお客の粋です。
落語は、他の伝統芸能と違って、話の主人公はうだつの上がらないヤツや、酒飲み、女好き、だらしのないヤツ、貧乏人、教養のない人、うっかり者。
とにかくヒーロー的なお手本的な人物は誰一人として主人公にはなりません。だって笑えないでしょ。
そんな世の中のはみ出し者がメインストリームなのが落語の好きなところです。
それから、落語を聞いていると書く文章のテンポが良くなる気がするのがいいところ。落語は耳で心地よい独特のテンポがあります。
知らないうちに言い回しに影響が出ることも。
ほら、例えば今のがそうです。落語って聞いてみるとわかりますが、です。ます。で語尾をしめません。テンポが悪くなるから。
あ、気がついたらついつい話が大脱線。今日のところは、これにてお開き。お後がよろしいようで。
芸能花伝舎
住所
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-12-30
アクセス
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿」駅 【出口2】より徒歩約6分
- 都営大江戸線「都庁前」駅 【A5】より徒歩約7分
- 都営大江戸線「中野坂上駅」「西新宿五丁目」より徒歩約10分
- JR「新宿」駅 西口より 徒歩約15分