御茶ノ水にある神田明神ホールで開催中の「鈴木敏夫とジブリ展」のレビューです。スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫さんの紡ぎ出す、グッと刺さる言葉にスポットを当てた展覧会。ジブリを支える言葉の展示です。最近とても言葉の世界に興味があるので見に行ってきました。
鈴木敏夫とジブリ展
鈴木敏夫さんの言葉の世界を堪能する展示会
スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫さんの言葉を堪能する展示会です。
ジブリの映画や宣伝のコピーを生み出しているのが鈴木敏夫さん。多くの人に感動を与える仕事の原点ってなんだろう。そんなことを考えさせられる展示です。力強い筆文字が、どーーーんと心にぶつかって来ます。
展覧会の内容について
鈴木敏夫さんの言葉と仕事が時代の流れと共に展示してあります。ネタバレになるので、具体的には書けませんが、たくさんの言葉の中に今まさに自分が必要としている心に刺さる言葉が、それぞれの人のためにあるんじゃないかなと思いました。
だから、気になる人は会場で実際に体験してみてください。パンチの効いた言葉もあり、辛辣な言葉、深い言葉、やさしい言葉と色々です。
映画のワンシーンの台詞も言葉だけを切り取るとまた違った味わいになります。
鈴木敏夫さんの言葉はまっすぐグッとこちらに入ってきます。
別に自分だけに向けられた言葉でなくても、いい言葉はいい言葉だと思います。名言ってやつですね。
そんな力のこもった言葉がたくさん集まると圧巻です。ジブリのアニメは絵も素晴らしいですが、台詞も秀一です。普遍的だから古くならない言葉たち。
神田明神とのコラボのお土産が色々ある
展覧会がはじまって4日目にも関わらず、お土産の品切れでした。コラボしているのは、江戸時代から続くこの界隈の老舗ばかりです。価格は高めですが、品質は確かなはず。なかなか渋いセレクト。
湯婆婆の手ぬぐい。インパクトあります。使うのはちょっとためらいますよ、これ。
榛原とコラボの「御朱印帳」2,500円 これ品切れ中でちょっと残念。新しい御朱印帳が欲しかったんですが。
白木屋傳兵衛(しろきやでんべえ)商店とコラボの安産小箒。
これで妊婦さんのお腹を3回撫でると安産らしいです。千と千尋の神隠しに出てくる神様がプリントされています。
榮太棲の羊羹。864円。これも品切れ中。ちょっと欲しかった。羊羹のパッケージに言葉が書いてあります。
たとえば、「飛ばねぇ豚はただの豚だ」っていう有名な紅の豚の台詞が書いてあります、お菓子に 笑
他にはこんなお土産も
宮本卯之助商店とコラボの扇子 2160円
神田豊島屋本店とコラボのお神酒 550円
黒江屋とコラボの漆器の盃 4600円
山本海苔店の海苔ちっぷす 648円
榮太棲の梅ぼ志飴 540円
絵馬も限定のものが多数揃っています。「ここで働かせて下さい」は千と千尋の神隠しに出てくる有名な台詞。この絵馬の方は就職祈願かな。みなさんは就職がうまくいくといいですね。
私は神社声援と書いてジンジャーエールと読むドリンクの鈴木敏夫コラボバージョンを買いました。生姜が沈んでいるので軽く混ぜて飲みましょう。お守りの文字は鈴木さんの文字だから大事にとっておこうかな。
カフェにもコラボメニューあり
会期中、神田明神文化交流館「EDOCCO」1F のCAFÉ MASU MASUでは特別メニューも提供されていました。ジブリのアニメにちなんだメニューです。
千と千尋に出てくる真っ白いだけのおにぎりは、象徴的ですよね。食べていくっていうことの厳しさを教えてくれるような気がします。
- まっくろなくろ胡麻おはぎのお茶セット864円(税込)
- 白(ハク)米のおにぎり白(ハク)米のおにぎり※お茶付き 864円(税込)
- となりのカキ氷となりのカキ氷 648円(税込)
限定メニューは午後に行ったら売り切れもちらほら。お昼時は混雑必死ですね。
写真撮影スポットは展覧会の会場内3ヶ所と外のニャコラの計4ヶ所
湯婆婆 銭婆 おみくじ
千と千尋の神隠しに出てくるキャラクター、湯婆婆と銭婆のおみくじです。
この大きさ。高さ3メートルあります。迫力とインパクトがありすぎます。恋愛と開運からコースが選べます。
湯婆婆の口に手を入れて一本だけ紐を引くと番号が書いてあるので、薬棚型の引き出しからあなたの番号を探して、おみくじを出しましょう。
私のおみくじはこれです。
末吉か。いいのか悪いのか。
鈴木さんからの書き下ろしメッセージは、「仕事を忘れた時良い仕事が出来る」です。
うーーん。なんか、深いです。心の底から楽しんだ仕事なら、すごいことが起きるように思うんです。って書いてあります。
なんかわかります。仕事だーってため息つきながらやった仕事って大概ダメです。
バカになって子供のように夢中でやった仕事って変なパワーが出て、いつも以上に頑張れたり、よくわからない影響力をもったりすることがあります。
ずっとそんな毎日なら楽しいのにね。自分の力でそんな毎日に変えて行けたらいいな。変えていこうと思います。
飛び出せ魔法の言葉コーナー
ジブリの映画のワンシーンに出てくる台詞が浮かんでいます。ここでは記念撮影がOKです。
千と千尋の湯屋の模型
千と千尋の神隠しに出てくる湯屋の模型があります。少し待っていると電気がともるので、シャッターチャンスを待ちましょう。かなり精巧にできています。裏口の階段まで再現されています。宴会の音も聞こえてきたり、凝った作りです。
ニャラコラ
ニャコラとは、鈴木敏夫さんが描いた日清製粉の猫のキャラクターです。思いのほかでっかいよ。みんなニャコラと記念撮影してました。
神田明神祭りが間近なのでニャコラと写真が取れるのは5月8日までです。ニャコラと写真が撮りたい方はお早めに。
神田明神祭りはG.W.明けにはじまります。お祭りの様子は、はしのまちWEBで記事を掲載予定です。
鈴木敏夫さんとは
雑誌『アニメージュ』の創刊に参加して副編集長、編集長を務め「風の谷のナウシカ」「火垂るの墓」「となりのトトロ」などの高畑勲・宮崎駿作品の製作にずっと関わってきたスタジオジブリのプロデューサーです。ジブリを語るには欠かせない存在ですよね。
著書もたくさんあります。今回展示を見たあと、あらためてじっくりと本を読んでみたくなりました。参考までに本のリストです。後日ブックレビューに感想を書こうかな。題名を見ているだけでも、いま私に必要な本ばかりだと思いました。
読んでおきたい鈴木敏夫さん著書リスト
『禅とジブリ』(淡交社)
『仕事道楽 新版 スタジオジブリの現場』(岩波新書)
『人生は単なる空騒ぎー言葉の魔法―』(KADOKAWA)
『ジブリの哲学―変わるものと変わらないもの―』(岩波書店)
『風に吹かれて』(中央公論新社)
『ジブリの仲間たち』(新潮新書)
『ジブリの文学』(岩波書店)
『南の国のカンヤダ』(小学館)
おまけのまとめ
WEBの制作会社にいた頃、私はローソンの担当もしていました。その中で「ハウルの動く城」の映画の宣伝ページを作らせていただいたことがあります。その時、鈴木さんからお褒めの言葉をいただことがあるんです。直接鈴木さんとお会いした同じチームのディレクターのA君が興奮して、わたしに教えてくれたことを思い出します。
正直そのサイトは社内ではボロカスに言われていたんですが、今でもあたたかい言葉がありがたくて記憶に残っています。
鈴木さんの言葉に触れて、元気が出る言葉。人に力を与える言葉。そういう言葉を生み出せる人になりたい。なろうと思いました。
『鈴木敏夫とジブリ展』概要
会期: 平成31年(2019)4月20日(土)~5月12日(日) 会期中無休
会場 :神田明神 文化交流館「EDOCCO」内 神田明神ホール(御茶ノ水駅 徒歩5分/秋葉原駅 徒歩7分)
時間:10:00~18:00(最終入場 17:30)
観覧料 :大人1,300円 / 中高生800円 / 小学生600円
神田明神 文化交流館「EDOCCO」
展覧会公式サイト
神田明神サイト