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【映画で旅する京都】『マザーウォーター』の縁側文化【イラストルポ】

【映画で旅する京都】『マザーウォーター』の縁側文化【イラストルポ】

『マザーウォーター』を見ました。物語の舞台は京都ですが、いわゆる観光地的な京都の風景は一切出てきません。失われつつある日本の縁側文化を疑似体験できる映画です。

『マザーウォーター』内でも外でもない心地よさ

マザーウォーター |イラストルポあいすまみ

『マザーウォーター』はこんな人にオススメの映画です

  • 日々の暮らしの質を高めたい方
  • 居心地よい人間関係を探している方

映画『マザーウォーター』は、飾りっ気がない普通の日常を描いているようで、どこかファンタジック。

と言っても完全にファンタジーなのかというと、ちょっと違う。

まるで誰でも心掛け次第では、手が届きそうな現代の理想郷。リアル半分夢半分そんな感じです。

ストーリー上、曖昧な点も多いですから、ふわっとしたものが苦手な人は、ゆっくりとしたストーリー展開にちょっとモヤモヤしちゃうかも。

日々のことを丁寧に、そして淡々と行うことで生まれる充実感が描かれています。

毎日変わらずお豆腐を作ったり、メニューは水割りしかないバーを営んだり。飽きずにやるのが商いってよく言いますが、見ていて本当にそうだなって感じます。

店先から外の景色を眺めるがごとく、ぼんやりとストーリーを堪能するもよし、美味しそうな食べ物に生唾するもよし。

映画の世界に入り込んで、登場人物のひとりになった気分で観るのがおすすめ。

そんな、ふわっとした心地よさのある映画です。

『マザーウォーター』の見どころ

『マザーウォーター』の登場人物

セツコ(バーの店主)……小林聡美
タカコ(喫茶店の店主)…… 小泉今日子
ヤマノハ(家具職人)…… 加瀬亮
ハツミ(お豆腐屋)……市川実日子
ジン(銭湯の手伝い)……永山絢斗
オトメ(銭湯の店主)……光石研
マコト(散歩する人)……もたいまさこ
ポプラ(男の子)……田熊直太郎
アルヒト(?探してね?)……伽奈

 

配役を見て、「またか」と思う方と「やった!」と思う方に分かれるかも。もちろん私は後者です。好きな俳優さんがたくさん出ていて嬉しい映画。

おなじみの役者さん達の演じる様々なストーリーは、どこかで世界が繋がっているようにも感じる不思議さ。

 

この映画が気に入った方なら、映画『かもめ食堂』『めがね』『プール』ドラマ『パンとスープとネコ日和』このあたりの作品は、全て楽しめると思います。

『プール』では、小林聡美さんの娘役で出演していた伽奈さんが、『マザーウォーター 』にも出演。

一度観ただけでは、どこで伽奈さんが登場したのか気がつきにくいです。いわゆるカメオ出演のような感じの短い出番なので、どこにいるか探しながら鑑賞するのもマニアックな楽しみのひとつです。

映画の脇役は水

劇中に登場するのは、お豆腐屋さん、ウィスキーしかないバー、こだわりのコーヒーを出す喫茶。そして昔ながらのお風呂屋さん。どのお店も水が大事な商売です。

映画のタイトルの『マザーウォーター』とは、料理などを仕込むときの水や、酒類を作るときに使う水のことを言うのだとか。

人間も良い水によって仕込まれて熟成していくのだろうか。映画を観ていて、そう思えてきました。

京都などに残る縁側文化をさりげなく描いている

舞台は京都ということですが、観光地のお土産やさんにあるような「京都」は出てきません。土地勘がない人なら鴨川の存在でようやく、ああ京都だなと気がつくさりげなさ。

映画で描かれている日本らしさと言えば、縁側文化が象徴的。縁側文化とは、文字通り縁側におけるローカルコミュニティのことです。

内でも外でもない曖昧な空間で、ご近所さんとカジュアルな交流を持つ場が縁側。そもそも縁側自体が少なくなっている現代においては消滅しつつある概念です。西洋でいうとテラスが該当するのかな。

この映画では「ちょっと寄ってかない?」と気軽に声をかけあえるコミュニティが描かれています。店先のベンチだったり、ふらっと立ち寄れるお店であったり、さまざまな縁側的な空間で登場人物が交流しています。

人々の関係性も内と外が曖昧な感じに描かれているのが面白いです。人との程よい関わり方をしながらも、無関心でもなければ、過干渉でもない。みんな大人で各々が立ち位置をわきまえているからこその居心地のよさ。

たとえば、誰の子どもだとかにこだわらずに、自然と町のみんなで子育てをしているのです。こんな町で暮らしていたらワンオペ育児で悩む人も減るし、子どももおおらかに育つだろうな。

サラっと流れていくようであり、澄んでいて気持ちの良い人間関係は、映画の中に流れるもう1つの水のようです。

『マザーウォーター』を観て思うこと

淡々とした毎日にある心地よさ

この映画を観るときは、おそらく自分なりの解釈が必要です。シンプルな物語の余白に何を感じるか。それは、自分を映す鏡のようできっと人によって違うのかもしれません。

これだ!という明確な答えは書いていないので、ゆっくりとウィスキーを転がしながら味わいたい大人の映画です。

 

『マザーウォーター』

のんびり

Haapy度

ためになる

ワクワク感

スリル感

 

『マザーウォーター』2010年 日本

 

 

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