大人になってからぬりえを塗ったことはありますか?ちょっと懐かしい気持ちになりながらiPadのお絵かきアプリProcreateを使ったデジタルぬりえをしてみました。ぬりえの原画はMAKOさんから提供いただきました。
Procreateでぬりえをしてみよう
(C)MAKOオケスタジオ
まずはパレットをカスタマイズ
Procreateはパレットという機能があり、自分の気に入った色を登録しておくことが可能です。今回は、あえて一般的な12色の色鉛筆を想定してデジタルぬりえをしてみたいと思います。パレットに登録する色は12色のみ。ブラシは6B鉛筆一択です。
本当は、どんな色でも使うことが出来てブラシも豊富に用意されているProcreateですが、あえて縛りを作ることでアナログ画材との感覚の違いを調査してみたいと思います。
まず、iPadのカメラでお家にある色鉛筆の写真を撮影しましょう。
Procreateの新規キャンバスを開きます。
レイヤーに先ほど撮影した色鉛筆の画像をキャンバス内に呼び込みます。
Procreateは、画面上にある画像から色を拾ってパレットに色を入れることが出来ます。
例えば今回のように好きなアナログ画材の色を画像から読み込んでみたり、昨日見た綺麗な夕焼けの色をパレットに入れることも可能です。
パレットへの色の登録の仕方はこちらの記事にまとめました。
デジタル色鉛筆でぬりえを塗ろう
ブラシがたくさん用意されていますが、色鉛筆風に塗るなら『6B鉛筆』ブラシがいいかな。一番オーソドックスな描き心地の使いやすいツールです。
先ほど自分で登録した12色から好きな色を選んで線を試し描きしてみましょう。メニューバーの一番右側に色のついた丸があると思います。そこに表示されているのが今自分が選択している色です。
鉛筆の太さは好みの太さで固定して描いてみたいと思います。
通常なら、絵を描きながらブラシの太さを変えることも多いのですが、今回あえてアナログ感にこだわるので、太さを決めたら、そのまま最後まで太さ固定で塗ってみたいと思います。
大人の本気ぬりえ
(C)MAKOオケスタジオ
今回のぬりえの原画はMAKOさんの妖精イラスト。先日のセミナー体験会の課題でした。
ちょっとこちらの課題をお借りして早速塗ってみます。線画の色は、薄い茶色に変更してみました。線の色は好みの色に変更することが可能です。黒っぽい色から薄い茶色に変更してみました。
ちょっと緊張するぬりえです。気合い入ります。
画像の色の調整方法
色鉛筆画の基本テクニック
ハッチング
色鉛筆を立てて使い、線の重なりで面を表現します。線の方向をずらしながら重ねていくことで、気持ちがいい色のハーモニーが生まれます。
点描
文字通り点をたくさん打って、画面を埋めていく描き方です。有名な画家にスーラがいます。根気強く点を打っていきましょう。少し引きで見たときに色が混ざって見えるのが楽しい点描。少し取り入れてみたいと思います。
明るめの色鉛筆から少しづつ暗い色の色鉛筆を使うのがコツです。
ぼかし
塗り終えた面を綿棒などでこするアナログのテクニックをデジタルでもやってみましょう。ツールメニューの指のマークのアイコンをタップします。
指でなぞるようにぼかしたいところをタッチしてみてください。Apple Pencilをお使いの方は筆圧を感知するので、加減しながらぼかしてみましょう。
ツヤを出したいところなどに使うと効果的です。
ハイライトを入れる
アナログ色鉛筆の場合は、練り消しなどで色を抜いたり、塗り残してハイライトの白を入れるのですが、Procreateの場合も同様に消しゴムツールで線を消すことが可能です。
Procreateをアナログ的に使ってみて
デジタルぬりえのメリット
まずは、紙に描く訳ではないので、ゴシゴシしても画面が傷まないのはメリットです。
紙は描き慣れないと、筆圧が高すぎて紙を傷めてしまったり、汚してしまうことがありますが、デジタルではその点心配なしです。
色鉛筆を研がなくてもいいのは、デジタルならではのいい点。物理的に芯が減るということがないので、あたり前ですが鉛筆を削るのが面倒という人には便利です。
まあ、鉛筆研ぐのが好きという人も一定数いるんですけどね。私も昔は、鉛筆研ぎは集中するためのルーティンでした。
アナログの場合、一度ぬり終えたらぬりえは終わりですが、デジタルの場合は、データを複製出来るので、何枚でもぬり放題です。小さなお子さんのいるご家庭なら、お出かけ先などで、ぬりえを用意しておけば退屈知らずかもしれません。しかも、散らかりませんのでおすすめです。
デジタルぬりえのデメリット
今回の実験のように、ハッチングの細かい線で描いていると、二本指タップで前の作業取り消しをするのが大変です。ストロークの数が多すぎて戻る回数が増えるからです。修正は、素直に消しゴムや選択範囲で消した方が早いです。
また、ペンツールは本来太さが自由に変えられるので、広い面を塗るときは太いブラシで塗ると早く仕上がります。効率を考えるなら、都度、太さを変えて描く方がいいと思います。
アナログならクレヨンやパステルを横にして広い面で塗る感覚に近いのかなあ。
実寸のサイズ感がつかみにくいのは、デジタルのデメリットです。
もし、A3サイズくらいの大きなタブレットが発売されたら、実寸で描けるようなると思いますが、現状だとiPadのサイズを超えた絵は縮小で見ることになるので、感覚的にサイズ感がわかりにくくなります。
これはProcreateやiPadに限らず、MacでAdobeなどのソフトで絵を描いている人も慣れないうちは悩みます。
心配な人は、一度紙に出力して実寸の感覚を確かめてみるといいかもしれません。
【実証実験】Procreateで大人がぬりえやってみたらこうなった
ハッチングは時間かかるー!
主にハッチングをメインにコツコツと塗りました。もはやデジタル関係ないんじゃないと思う方もいるかもしれませんが、あえてデジタルの便利な機能を極力排除して、アナログとの感覚の違いを検証してみました。
ハッチングは、アナログで同じように描いても時間がかかる描き方です。
5時間以上ぬりえを塗っていましたが、時間切れ。このあたりで実験終了とします。止めどころがわからなくなりそうです。普段の描き方とは違うので新鮮でしたし、気分転換になりました。
やってみてください。ハマると無心のゾーンに入ります。
ベタ塗りも試してみた
色鉛筆は使わずにベタ塗も試してみました。このくらいの塗り方だと15分くらいで塗ることが出来ます。ちょっとアニメっぽい感じになりました。
Procreateのベタ塗りは簡単です。選択した色をつかんで、塗りたいエリアの上でパッと離すと流し込みになります。この時、塗りたいエリアの線は閉じていることがうまく塗りつぶせる条件になります。
ベタ塗りを使うとあっというまにぬりえ完成になります。
ブラシを変えたり、ツールを変えるるとこんなに同じ絵でも雰囲気が変わります。また色の選び方や配色でも絵の雰囲気が相当変わります。
私は、少しダーク目な雰囲気の色を選びましたが、パステル系だけでまとめたら流行りの夢かわ系の絵になると思いますし、モノクロで描いても全く違う感じになると思います。
今回実験してみて、ブラシの研究にぬりえはいい題材だなと思いました。また、配色の練習にもぬりえはいいのではないでしょうか。
まあ、単純に楽しみで黙々ぬりえをするとストレス解消にもなるらしいので、難しく考え過ぎないのもありですよ。
とにかく、楽しんで塗ってみてください。
Procreateの全てのブラシを試しきれていませんので、まだまだ研究の日々は続きます。
今回のぬりえをテーマにしたiPadの体験会の様子はこちらから