パレットと言えば普通は絵の具を出して色を混ぜるためのお皿ですよね。デジタルお絵かきの世界にもパレットがあるんですよ。今回はiPad用のお絵かきアプリProcreateのパレットについてまとめてみました。
デジタルお絵かきソフトProcreateのパレットのカスタム法
Procreateのパレット デフォルトは3つのパレット
Procreateのパレットの初期状態は、「昇順」「キャンプファイヤ」「フラリッシュ」の3つのパレットが用意されています。
パレットを見るにはProcreateの新規キャンバスを開いて、画面の左上の●をタップすると画像のようなパレットが表示されます。見にくいので少し拡大した画像を貼っておきます。
ちなみにこの左上の●の中の色が現在選択されている色で絵を描いた時に現れる線の色になります。
ちなみに「フラリッシュ」ってなんだろうと思ってウィキペディアで調べたら、トランプを用いた曲芸的な技らしいです。「キャンプファイヤ」にせよ「フラリッシュ」にせよ、なんとなくのイメージで命名されたパレット名なのかも知れませんね。
Procreateのパレットは編集可能
初期設定のパレットの色以外に自分の好きな色を集めてオリジナルのパレットを作ることが出来るんです。
色の好みは人それぞれですし、どんな作風の絵を描いているのか、またはどのような用途でProcreateを使っているかによっても必要な色って変わってくるはず。
だから、自分が使いやすいようにオリジナルのパレットを作ってカスタマイズしてみましょう。
パレットの編集方法は、とっても簡単です。
まず、パレットの左上の+マークをタップしてください。
何も色が入っていない名称未設定パレットが出てきます。ここに好きな色を入れていくのですが、それにはパレットの下の方にある「ディスク」「クラシック」「値」のいずれかから、色を選択してパレットに登録する必要があるのでちょっと説明します。
Procreateのパレットの3つの編集方法
1.「ディスク」で色を選ぶ方法
「ディスク」を選ぶと、ドーナツ型の色の円盤のようなものが現れます。
外側の円は、色相といって色味を選ぶところです。赤系、青系、黄色系。好きな色味をまず選びましょう。
真ん中の円は、彩度と明度、つまり色の鮮やかさと明るさ暗さを選ぶことが可能です。
今、画像では外側は明るい蛍光色のような水色を選んでいます。
画面上の○はポインターと言って今選んでいる色を示しています。
真ん中の円で彩度が低めの位置を選んでいるので、選択されている色は青みがかったグレーのような色になっています。
もし、この色が気に入ったらパレット登録しておきたいですよね。でも、このタブから直接は下の空のパレットに色を持っていくことが出来ません。
一度パレットのタブに切り替えます。画面、右上の●の中が自分の選んだ色か確認したら、新しいパレットの枠の上をタップしてください。自分が選んだ色がパレットに入りました。
2.「クラシック」で色を選ぶ方法
「クラシック」を選ぶと四角い色の枠が現れます。上の四角の中は明度と彩度です。ディスクで言うところの真ん中の円と同じ役割です。濁っていない色がいいとか、明るい色がいいというのはここで選ぶことが出来ます。
今は、先ほどのディスクで選んだブルーグレーが選ばれたままなので、彩度と明度はこのままで、色相つまり色味を変えてみましょうか。
四角の下に虹色のスライダーがあると思います。こちらを左右にスライドしてみてください。ほら、色味が変わりました。楽しいですよね。少しいじってみたら、好きな色味を決めてこちらもパレット登録してみましょう。
さっきはプルー系だったので、今回はグリーン系を選んでみました。くすんだグリーンで、うぐいす餅みたいな色になりました。
3.「値」で色を選ぶ方法
「値」を選ぶとHSBやRGB、16進の数値で色を指定することが可能です。先の二つが感覚で色を選んでいたのに対して、きっちりとしたゆらぎのない色を選ぶ必要がある場合は、こちらが便利です。
WEB制作などに携わっている方ならこちらの方が馴染み深いかも知れませんね。
少しHSB、RGB、16進について補足します。
HSBとは
HSBとは、色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Brightness)の頭文字をとった色の表し方です。色彩学を学ぶ機会があると必ず出て来るHSBですが、日常ではあまり馴染みがないですよね。
Procreateのスライダーを見ると一番上のHは虹色になっているので、色味を表す色相、真ん中のSは濁った色からクリアな色になっているので色の鮮やかさを示す彩度、一番下のBは色味がなくて黒から白のグラデなので色の明暗である明度を表しています。
RGBとは
こちらは少し馴染みがある方も多いですよね。赤 (Red)、緑 (Green)、青 (Blue) でRGBです。いわゆる光の三原色というもので、きっと耳にしたことがある方も多いですよね。
RGBそれぞれ0から256までの数字で色を指定します。例えばRGB全て256にした場合は、白になります。
逆にRGB全てを0にした場合は、黒になります。
色々いじってみると感覚でも色を作ることは可能ですが、主に具体的な色の指定があった時に使うことが多いと思います。
16進とは
16進数カラーコードと呼ばれるもので、#999999のように#と数字で表します。ちなみに#ffffffで白い色になります。数字じゃなくてこれだけイレギュラーですが、何となく頭の片隅に置いといて下さい。
こちらもWEB制作をしている方だと日常的に触れるのは、こちらの16進数カラーコードですよね。
絵を描いている方にはあまり馴染みないですよね。数字が並んでいるだけだと何色かわからないという方も多いと思います。ちょっとすでに蕁麻疹が出そうな感じの方は、ディスクなど直感で色を選ぶ方法でも何ら問題はありません。今回理屈は端折ります。気になる方はググってみてw
やはり、こちらも色がブレたらいけない場合に、しっかり指定できるのがメリットです。
ステップアップ編 もっと便利にカスタムしよう
自分流にカスタムしたパレットを作ると便利
せっかくパレットをカスタマイズするなら、素敵な配色を集めたオリジナルのパレットを作るのはいかがでしょうか。ちょっとワクワクしませんか?
デッサンやクロッキーでProcreateを使うことが多い人は、モノクロのパレットを一つは作っておくと何かと便利です。繊細なグレーの色調を集めたパレットを作ってみると味わい深いクロッキー作品に仕上がるかも。
パステルブラシでデッサンしたい方は、アナログのパステルにありそうな色をパレットで用意しておくと、アナログ感を感じながらデッサン出来るかも知れないですね。
様々な肌色や髪の色などのパレットを作っている方もいます。
決まりは特にないので、あなたの創造力が一番刺激されるパレットを用意してみてはいかがでしょうか。あなたならどんなパレットを作りますか?
Procreateのパレットの読み込み方
パレットのカスタム方法はわかったものの、結構手間がかかるのねと思う方もきっといるはず。
一色づつ登録するのは面倒。もっと手軽にパレットに色を増やしたいと言う方には、パレットの読み込みという方法があります。
すでに出来上がったパレットをインターネット上で有料、無料で配布しているサイトがあるので、気に入ったパレットを登録することが可能です。
注意点は、ブラウザはSafariを使ってダウンロードすることです。
Procreateのパレットづくりの参考になるサイト
Adobeのカラーパレットサイト
サイトにアクセスしたら探索メニューから好みの色を探します。自由なキーワードで検索出来るのが特徴です。
今回はリゾートというキーワードで検索してみました。どうですか?イメージに合う色は見つかりましたか?
気に入った色が見つかったら、画面をスクリーンショットしてProcreateに画像を読み込みます。
Eyedropper(スポイト)で色を吸い取り、スウォッチに地道に登録していくと好みの色のパレットが出来ますよ。
自分の頭で思いつく色には限界がありますから、こんなサイトを使ってパレットの色数を増やしてみるのもいいかも知れません。
BOOTH(ブース)
pixivと連携していることもあり、コミックイラストに便利そうな素材が多い印象です。利用するにはpixivのアカウント登録が必要です。
テイストの違うイラストを描いている人も一見の価値あり。
グッズなども売買されています。Procreateで検索してみるとパレットの他、ブラシやスタンプなどが配布されています。また、自費出版の漫画やイラスト集を販売している方もいらっしゃいます。
Procreateのパレットに入れた色を削除する方法
間違えて思ってもいないような色をパレットに登録してしまったり、もうこの色は使わないなと思ったら、パレットの中を整理整頓することが出来ます。
必要のない色の上を長押しします。すると小さな「削除」吹き出しが現れます。この吹き出しをタップするだけでパレットから色がなくなりました。
Procreateのパレットの色の並び替え方
こだわる方は、同じ色味の色を並べたかったり、濃度や彩度の順にグラデーションで並べたかったりしませんか?パレットの色の並びを変えたい時は、移動させたい色を選んで、カードを入れ替えるように移動するだけ。
直感的に操作が出来るので、簡単ですよね。
Procreateのパレットの名前の変更の仕方
パレットの名称未設定パレットと言う文字をタップしてみて下さい。キーボードが現れて文字の編集モードになります。自分でわかりやすい名前に変更することが可能です。
肌色パレットとか、影の色パレットとかデッサン用パレットなど、わかりやすい名前がおすすめです。
かわいいパレットとか宇宙パレットなんて、自分だけの感覚的なパレット名でもいいかも知れないですね。
【まとめ】デジタルお絵かきソフトProcreateのパレットのカスタム法
いかがでしたか?パレットのカスタマイズ出来るようになりましたか?
意外と直感で触ってみるとあまり頭で難しく考えなくても使うことが出来るツールなので、絵を描くことに没頭出来ますよね。
絵の具を白いパレットに絞り出す感覚とは、また少し違いますが自分の好きな色を作って集めておくことが出来るところは同じです。絵の具と違って劣化しないのはデジタルならではかも知れません。
自分の好きな色で絵を描いてみましょう。本当に楽しいですよ。