【第10回EDIX2019】教育ITソリューションEXPOレポート

【第10回EDIX2019】教育ITソリューションEXPOレポート

第10回EDIX2019に行ってきました。2020年から小学校でも義務化されるプログラミング教育の現状についてのセミナーを受講しました。また様々なブースで見てきたことをレポートします。

第10回EDIX2019 教育ITソリューションEXPO

イベント概要

EDIXは2つの展示会の総合イベントです。学校や教育に関わるサービスが一堂に集まる展示会です。教育関連の企業のブースがあったり、各分野の先駆者が登壇するセミナーを受講することもできるイベントです。

第10回 教育ITソリューションEXPO特設 学びNEXT プログラミングSTEMゾーン

第2回 学校施設・サービスEXPO

場所:東京ビックサイト青海展示棟

会期:2019年6月19ー21日 10:00~18:00(※最終日のみ17:00終了)

どんな企業が出店しているのか

ふたつのEXPOの同時開催ですが、会場は同じでソーン分けされているだけなので、自由に行き来きができる感じです。

教育ITソリューションEXPOの方は、電子教科書や電子黒板、ICTの教材、プログラミング教育のツールなど授業に直接関わるものがメインです。

中でも印象的だったのは、海外からのプログラミング教材の企業の出展でした。韓国や中国のプログラミング教材の企業が出展していました。

中国の深センから出展されていたある企業の方からお話を伺うことができたのですが、「日本は来年からようやくプログラミング教育が義務化されるが世界的に見て大変遅い」というお話です。なんとなく、遅れている意識はあったものの、改めて指摘されると不安を感じました。

また、これは他の子ども向けのプログラミングのイベントで聞いた話ですが、日本の小学生に人気のスクラッチのようなビジュアルプログラミングのソフトは、北欧の方では幼稚園の子どもが遊ぶレベルのものという話も思い出しました。

日本では、ようやく動き出した感があるプログラミング教育ですが、国や学校まかせにしないで、親としてしっかり考えるべきだと思わされることがたくさんありました。

 

学校施設・サービスEXPOの方は、AI採点のシステムやICT教育に関わる什器、安全見守りのサービスなど学校運営に関わる部分での支援ツールがメインでした。

両方に共通して言えるのは、ITの力がベースにあるという点です。教員の働き方改革の話題も最近よく聞かれます。あまりにも長いサービス残業で疲弊していく教員をなくして、効率化をはかるのはいいことだと思います。

答案の採点が自動化できるサービスや、授業を支援するツールなどITの活用が学校運営にも入り込んできています。

4つのセミナーを受講しました

EdTechが変える教育の未来 ~スタディ・ログの可能性~

デジタルハリウッド大学大学院
教授 佐藤 昌宏 さん

EdTechについてのセミナーでした。テンポよくハイペースで進む話術に引き込まれました。

EdTech(エドテック)とは、Education(教育)+Technology(テクノロジー)の造語で、最近よく聞かれるようになった言葉です。テクノロジーの力で教育にイノベーションを起こそうという流れから生まれた言葉です。

とても革新的な話でしたが、未来の子どもたちが羨ましく思うような内容でした。スタディログ(学習記録)があれば、テストはいらないという話や、個人に最適化された教育が実現出来れば、落ちこぼれも吹きこぼれも不登校の問題も解決できるという刺激的な話題が印象的でした。

先日放送されたNHKスペシャルによると中学生350万人中不登校の生徒が44万人。およそ12%の生徒が学校に行けないという現実を解消するのはテクノロジーの力しかないのではないかと思いました。

一斉に同じことを学ぶ時代は、もう終わってもいい気がします。主体的な深い学びがこれからの教育改革のテーマです。

学校は人生の入り口のようなものですが、通学という形にこだわるあまりに人生の機会損失をすることのないような世の中であることを願ってやみません。

大学受験改革に向けては、すでにEポートフォリオという学生生活のログが取られるようになっています。

これからは小学校入学と同時に個人のスタディログが取られて、個人にとってメリットのある形で学びに活用されていく時代が来るのかもしれません。

 

来年から必修化 ~今からでも始めたい小学校プログラミング直前対策~

(株)情報通信総合研究所
ICTリサーチ・コンサルティング部 平井 聡一郎 さん

NPO法人みんなのコード
代表理事 利根川 裕太 さん

ICT教育の先端にいるお二方の対談形式のセミナーでした。

以前Hour of Codeという子ども向けのプログラミングのイベントでみんなのコードの活動を知りました。

全ての子どもがプログラミングを楽しむ国にすることがみんなのコードの理念です。

素晴らしい取り組みだと思いましたし、これからの教育ってどうなっていくんだろう、何をしたらいいのかなと思ったきっかけでした。

お話の内容としては、なぜプログラミング教育が必修化されるのかという話と授業をどのように展開していけばいいのかという実践的なお話がメインでした。

今、教育現場の裏側は大変なことになっているなと感じました。プログラミング教育については、特に教員も今まで経験していないことを教えるわけですから大変です。

教育改革で最近変わったことと言えば、道徳の教科化、英語の授業の導入に、プログラミング教育の義務化、教科書の電子化など。大きなうねりが一気に押し寄せていて、教える側はキャパオーバーで当然なように感じます。

みんなのコードのような団体が教育現場を支援することは必要不可欠だと思いました。しばらく手探りが続くのだろうなと感じますが、変革期に育つ子どもに期待したいとも思います。

講演で心に残った言葉

  • Done is better than perfect.  By Mark Zuckerberg
  • Today is the first day of the rest of your Life.
  • つべこべ言わずにやってみろ(ダメならやめたらいい)

みんなのコード

【iTeachers TV LIVE!】教育ICTの先駆者が語る!ICT活用の落とし穴とは?

広尾学園中学校・高等学校
副校長 金子 暁 先生

大阪大学教授 岩居 弘樹先生

聖徳学園中学・高等学校
Executive ICT Director 品田 健先生

玉川大学工学部 教授 小酒井 正和先生

教育ICTコンサルタント 小池 幸司さん

教育ICTのチーム iTeachersのYouTube番組「iTeachers TV ~教育ICTの実践者たち~」のライブなトークセッション。

延々と書類を読み上げるようなセミナーと違い、場を盛り上げる工夫が満載で、面白かったです。テーマも中々切り込んだものですよね。

本音トークがとても面白かったです。総じて言えるのは、学校や教師の押し付けの授業ではいけないという点です。あくまで生徒主体の授業であるべきだというのが総論です。

様々な教育現場を引っ張っている全国の先生がYouTubeの番組を作っています。卒業生が参加していることもあるそうです。

国や法律の整備を待つことなく、どんどん推進する人が出て引っ張っていくくらいでないと現状の教育環境は変わらないような気がします。

尖ったことをすると足を引っ張ったり、意見だけ言って何もしない人がいますが、失敗してなんぼ。どんどんトライアンドエラーで革新的な授業の波を作る先駆者がいることはいいことだと思いました。

iTeachers

YouTube「iTeachers TV ~教育ICTの実践者たち~」

情報活用能力の育成におけるプログラミング教育

文部科学省 初等中等教育局 情報教育・外国語教育課
情報教育振興室 室長 折笠 史典さん

Socety5.0時代に向けて、小学校で必修化されるプログラミング教育のこれからについて文科省などの資料に乗っ取って解説していただきました。

国としての方向性についてざっくりわかりました。正直言うとデータの情報量の多さについていけなかったんですが、今回受講した他のセミナーの根拠となっているベースの資料であることがわかりました。

2020年からはじまるプログラミング教育の義務化ですが、プログラミングという教科が新しくできる訳ではなく、既存の算数や理科の授業の中でプログラミング的思考や授業を取り入れるということに決まったようです。

本当に来年の春からこんなに授業が激変するのか、熱心な学校とそうでない学校に別れていくのかまだよくわかりませんが、一つ言えることは、教育は変わるということです。これは確かです。

そして、生まれた時にはもうタブレットがあって、小学生からプログラミングに触れているような子どもたちが成人になるまで10年もないという事実です。おそらく、その頃の世の中は今よりもさらに別の世界になっていることだと思います。

資料として出た一枚の写真が忘れられません。どんな写真かと言うと小学6年生の男の子が高校生にJAVAを教えている様子の写真です。

プログラミングに年齢は関係ないと時々聞きますが、子どもにはかなわない時代は、もうすぐそこまで来ているなと感じる写真でした。

大人も子どもの目線で一から学び直すことが重要というお話は、とても納得いくものだったので実践してみたいと思いました。

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同じく2020年から新しい指導要綱に乗っ取って採用される電子教科書についての記事はこちらで書きました。

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