【泉屋博古館分館】浴衣の中の花【アートな花散歩】

【泉屋博古館分館】浴衣の中の花【アートな花散歩】

泉屋博古館分館で開催中の展覧会、特別展「ゆかた 浴衣 YUKATA―すずしさのデザイン、いまむかし」に行ってきました。時代と共に変化する浴衣のデザインや着こなしについて学びました。

特別展「ゆかた 浴衣 YUKATA―すずしさのデザイン、いまむかし」

泉屋博古館分館

展示概要

江戸時代から現代までの浴衣の変遷がテーマの展示です。これからの季節、浴衣でお出かけされる方も多いのではないでしょうか。

とても身近で、興味が持てる展示だと思います。図案などが好きな方にもおすすめです。

 

前期後期で半分ほどの展示品が入れ替わるので、ご興味ある方は両方行かれてみてはいかがでしょう。会期中は展示にまつわる講演会なども行われていますので、詳しくお話を聞きたい方にはうってつけです。

会期前期:5月28日(火)~6月16日(日)

会期後期:6月18日(火)~7月7日(日)

場所:泉屋博古館分館

住所:東京都港区六本木1-5-1

休館日:月曜日

入館料:一般 1,000(800)円、高大生800(640)円、中学生以下無料

※リピート割:本展会期中2回目観覧時に本展半券を持参すると1名1回限り半額料金で観覧可能(一般 500円、大高生 400円)。他の割引との併用不可。

※きもので来館すると100円割引(他の割引との併用不可)。

湯上りに着るものだった江戸時代のゆかた

浴衣は、江戸時代は入浴後に着る部屋着で、外出用ではありませんでした。

いわば、ゆかたは 夏のカジュアル・ファッションの原点です。簡単に言うと昼間着ている着物を基準にすると、Tシャツとかジャージとかそのくらいラフな服装でした。

江戸時代は自宅にはお風呂はありませんでしたから、共同の湯屋へ向かうことになります。その帰り道に着て帰るのが浴衣です。浴衣の浴は浴びるですよね。湯を浴びた帰りの衣で浴衣ということになります。

もう一つの面白い小ネタもありますよ。風呂敷の語源って知ってますか?江戸時代は一般的だった蒸し風呂に入るときに、荷物を包んだのが『風呂敷』の語源だとか。

今でも温泉旅館に行くと浴衣が用意されているのは、その名残なのかしら。

浴衣の着こなしも変化

江戸時代には、浴衣はお出かけで着るようなものでなかったことは先ほど書いたのですが、現代では浴衣の着方も変化してよそ行きとしての着こなしも注目されていて静かなブームです。現代の着こなしについても展示されていました。

浴衣は、本来なら夕方からのお祭りなどで着るもので、昼間のお出かけには適さないと言われていました。

でも今は、足袋を履いて浴衣の下に襦袢を着て襟を出して着ると、レストランや美術館など少しおしゃれをして出かけたいところにも気兼ねなく行くことができます。このように浴衣を着物のように着付けることで、浴衣の格が上がります。

昔は、オーダが当たり前

昔は、既製品という概念がありませんから、ゆかたを新調するときは型染見本帳を見て注文して、浴衣を仕立ててもらうのが一般的でした。

今からしたらとても贅沢なことにも思えますが、手間のかかることであったでしょう。

でも、憧れますよね、仕立てもらった浴衣って。体型に合わせて仕立てるので着付けが楽ですし、生地から選ぶ楽しみもあります。

江戸時代の浴衣の絵柄

江戸時代の浴衣は、藍色と白のものが基本です。現代のようなカラフルな浴衣はありません。また絵柄は、今と違い秋冬を思わせる図案が多かったです。

例えば、凍りついた紅葉の葉や降りしきる雪などの寒い季節のモチーフです。現代ではあまり見かけませんね。

また、江戸時代には秋の虫と考えられていた蝶も人気の浴衣の図案でした。

これは、当時のしのぎにくい夏の暑さを寒い季節の絵柄によって、少しでも涼しげに見せようという江戸の人の工夫と遊び心でした。いわば、粋と言うやつです。

現代の浴衣の絵柄

一方、快適な環境が整ってきた時代へと進んで行くと、浴衣の絵柄は夏を連想させる柄へと変化します。冬のモチーフを絵柄にしなくても今はエアコンもありますから、かなり快適に和装を楽しめますよね。

今では、夏の浴衣の絵柄として思いつくとしたら、朝顔や紫陽花など初夏から晩夏の花だったりしますよね。

また、古典柄や花鳥風月の他に、モダンなパターンも絵柄として登場しました。

ひとことに浴衣の絵柄と言っても奥が深いものですね。

浴衣に思う

江戸時代のゆかたから、近代の画家がデザインしたゆかたまで、様々なゆかたが展示されていました。

現代では、浴衣は夏のおしゃれ着の一つですが、用途も時代と共に変化しています。

素材や染めの技法も時代と共に変わっていった様子も展示していました。

また、浴衣ならではの図案についてのコーナーはとても興味深いものでした。

浴衣が描かれている浮世絵も当時の人々の暮らしぶりが身近に感じられて、今も昔も共通するものがあるんだなあと思いました。

ちなみに和装の世界では、『格』と言う言葉がよく出て来ます。フォーマルなのか遊び着なのかで締める帯が違ったり、着物の柄や素材が違ったり、とにかく突き詰めると奥が深いです。

おまけの昔ばなし

私の着付けの先生も以前、「着物人口が減っている今、時代にあわせて常識が変わることは伝統を守る上で悪くない」とおっしゃっていました。

以前、和服姿の登場人物がたくさん出てくる漫画のアシスタントをしていたので、和装についてはとにかく勉強しました。江戸時代の文献も調べていましたよ。現代の和服の雑誌は、事務所にあった数年分のストックをしらみつぶしに読んでいました。

それでもわからないことばかりで、自分でも着付け教室にも通っていました。いい加減な原稿を出すと読者からクレームが入ったりすることがあるので、事務所のみんなは必死で原稿を仕上げていました。

 

おかげで今は、時々アルバイトで若い女の子の着付けのお手伝いをすることもあります。おばあちゃんになっても続けられるかもしれない副業かもしれませんね。むしろベテラン感が出てきて、かえっていいかもしれないです。

浴衣や成人式、卒業式。キラキラした女の子たちの人生の門出や素敵な出会いがあるかもしれない一日のお手伝いをしていると、とても嬉しい気持ちになります。若い女の子たちもこれから和服も楽しんで欲しいなって思います。

 

とは言えですよ、今日は30度を超える暑い一日だったので、私は根性がなくてワンピースで出かけました。先日ぶっ倒れたので若干パワーダウン気味です。

実は、こちらの美術館は着物で来館すると、きもの割というサービスで入館料を100円割引していただけます。

実際、数名のお着物や浴衣の方に出会いました。やはり、着物でお出かけされる方々は、こだわりのある着こなしのおしゃれな方ばかりでしたよ。

人の着こなしを見ていると、この着物にこの帯を持ってくるとは!なーんて百人百様の着こなしがあって飽きません。

私も今度は浴衣を格上げしてきちんと着付けして、美術館に出かけてみたいなと思いました。これも、美術館の一つの楽しみですね。

アクセス

東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅下車すぐ

駅出口からが少しわかりにくいので、公式サイトのページを貼っておきます。

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